前の記事で4年以上MMOドルアーガの塔にハマってしまったと書きましたが、プロゲーマーの様にやり込んでいたわけではなく、課金額も月1万円程度で抑えていましたのであくまでライトユーザーの部類だったと思います。
初登頂を機に、塔の中で組むパーティー(以下塔PT)だけでなくフィールドでのレベ上げのために組むフィールドPTにも積極的に参加するようになります。それがとても新鮮で楽しく感じました。
先入観でパーティーを組むことを拒んでいた私ですが、殻を破って飛び込んでみて本当に良かったと思います。パーティーで他プレイヤーと一つの目的に向かってわいわいやる事の楽しさ、チャットで会話をつつ物語を先に進める事で生まれる仲間意識など、いろいろな新しい経験をする事ができました。
いままで一人でテレビゲームしかしたことが無かった私に、オンラインゲームは全く新しい世界を切り開いてくれたという印象でした。ライトユーザーではありましたが、そういう意味でハマったんだと思います。
私が最初に始めたキャラクターの職種は「ソルジャー系」でした。ソルジャー系は防御力・体力が高い職ですので、塔PTやフィールドPTでは、「敵モンスターの攻撃を受け続ける事」が役割となります。攻撃をする係、回復をする係、と職種の特性ごとに役割がありましたので、それをきちんとこなしていく事がパーティー行動の要となります。
特に塔の中でソルジャー系は他のプレイヤーを自由にさせるため、自分が敵の囮になる役がメインです。宝箱を取る・鍵を取る・扉を開けるという生命線の仕事を自分がするのではなく、他プレイヤーにその仕事をしてもらうために障害となる敵モンスターの注意を引くのがソルジャー系の役目でした。
先述のちょこ歩きももちろんマスターしましたし、壁抜けなども駆使できるようになりましたが、技術云々の前にそのソルジャーとしての役目が自分の性に合っていた事が大きいと思います。
塔をスムーズに攻略するためこの階ではまずどう動くのか、他プレイヤーが敵に見つかったらどうすればよいのか、を考えて行動するのが非常に楽しかった事を覚えています。
塔の各フロアは5F-9F、10F-14F、15F-19F、20F-23F、という感じで5の倍数フロアからおよそ4階上までのフロアを周回していくのが主流でした。土曜日になれば午前中はフィールドでレベル上げPTに参加し、午後からは塔PT募集を掛けてひたすら塔に登る事を繰り返していました。今思えばこの時期が「MMOドルアーガの塔」の一番楽しかった時期ですね。
もちろん初めて塔PTに参加するためにどきどきして待っている人がいる事を想定し、そういった初心者から連絡が来たらお手伝い向け塔PTを構成して登る様にしていました。多少無理をしてでもその初心者のために、と頑張っていたものです。
私自身は初めて塔に登った時のPTメンバーに手伝ってもらった事の恩返しをする事はできないので、それを同じ初心者の方のお手伝いをする事で返していければというのが一番の理由です。その初心者が私の様に塔に登る事が好きで「塔頂者」になってくれれば、それが一番の理想でしたし。
しばらくすると、先述の歩行技術「ちょこ歩き」ができなくなったり、新しいシステムの導入などが進められます。オンラインゲームは集客・集金ができないと事業として続きませんので、そのための改変が随時おこなわれていくものです。
プレイヤー側の要望と運営者側の要望が上手くマッチするケースは少なく、プレイヤー側からはいろいろな不満が出てきていました。徐々にこのゲームに顔を出す人が少なくなってくる訳です。
私自身も仕事が忙しくなってきたことが一番メインの理由なのですが、塔PTやフィールドPTに参加すること自体が徐々に少なくなってきました。他にも理由を上げるとするならば、まずフィールドでレベル上げをする際、ソルジャー系はとにかく忙しいので、その作業(例えば3時間とか)をやり続ける事がしんどくなってきた事、でもレベルが上がらないと塔の上層階には行けないので手詰まりになった事が一つあります。
それから対人戦のコンテンツなどのように他人と直接競い合うのは性に合わず、新しいコンテンツに足が向かなくなった事もあります。さいわいフィールド上は一人(ソロ)で何とかレベル上げができていたので(非常に時間が掛かりますが)、4年目に入る頃にはちまちま暇を見つけては一人フィールドでコソコソ遊んでいました。
決して楽しくはなかったと思うのですが、今までの習慣や積み重ねたもの、楽しかった頃の思い出がずるずると長くやってしまう事につながっていたのだと思います。
4年間ハマっていたと前に書きましたが、複数台のPCで一度に2・3キャラクターを動かして一人でPTを作る程ハマっていたわけではないのです。一人で塔のボスモンスターを倒せるまでに武器を強くするため、何万円と課金をする程ハマっていたわけではないのです。
あくまで自分なりにハマっていただけでハマり方には当然度合いがあるものですが、正直そのようにしてまでゲーム環境に対応したくはなかった。自分が自分らしくいられなくなる事も、一プレイヤーとしての不満だったのだと思います。
結果的に2013年の中頃には私自身がこのゲームに顔を出す事はなくなりました。