今でも鮮明に思い出されます【MMOドルアーガの塔】その1

今からおよそ3年前、PCオンラインゲーム「MMORPGドルアーガの塔〜the Phantom of GILGAMESH〜」(以下MMOドルアーガの塔)がサービス終了を迎えました。

すでに3年以上が経過しており、その後別のMMOを一時期やっておりましたが、ドルアーガの塔ほど思い入れが続かず、いまはMMOは休止した状態です。

 

実は先日YoutubeでたまたまMMOドルアーガの塔のサウンドトラックを見つけたので、聴いてみたら今までにない感慨深さがなぜかこみ上げてきたのです。

各マップごとのサウンドを聞くたびにその場所の情景や、そのマップ内でレベル上げをしていた頃の記憶が鮮明によみがえります。

実際にMMOドルアーガの塔をしていた頃は、あまりBGM音は大きくせず聞こえるか否か位にしていたので、よくよく聴いてみるとすごく良いBGMだったんだと、今回改めて気づかされたような感じです。

 

今から10年前、2009年に初めてこのMMOドルアーガの塔を始めました。初めは暇つぶし程度に一人で(ソロで)レベル上げをしながら進める、いわゆる普通のRPGゲームとしての感覚でしたが、実は違いました。

MMOドルアーガの塔は60Fある塔の各フロアで謎解きをして宝箱のアイテムを取るのが醍醐味の一つです。しかしそれ以外にも塔に登らないと物語自体が先へ進まない事が、あとからわかります。

塔に登る時には大抵の場合、発起人(パーティーリーダー)が「18Fエピ消化募集、現在ソルスカ、ささおね」というような募集掲示を出します。それに対して参加の意思を伝えてグループに入れてもらい、最大5人でパーティーを組んで登ることになります。

 

これは今でも課題になっているのですが、私自身他人に気を使いすぎる傾向があり、仕事柄個人プレイが多いので、グループ(いわゆるパーティー)を組んで行動するのが苦手な人間です。

ですので塔に登るため他人とグループを組むというのに、当時は非常に抵抗がありました。

何より知らない人と知らない場所にいって共に行動をする、5人で登るからには何かしらの役割があるはずですが、それも全くわからない。

そういったプレッシャーと、下手に思われたり笑われたくないというプライドが大きな障害となり、募集は目にするけど声はかけられないという状態が続いたのを覚えています。

 

でもその当時の自分はここで一念発起して、いろいろできうる限りの事前情報をネットで調べて、募集に参加する事を決意します。

今でもよく参加したなと過去の自分を褒めたいし、自分に感心します。ですのでその時参加したパーティー(15-19F周回パーティー)で塔に登った時の記憶は、10年以上たった今でもよく覚えています。

その塔頂後少しずつ慣れてきた私は、塔パーティーを自分で募集して毎週のように塔に登る、いわゆる「塔頂者」にまでなるのですが、それにもかかわらずこの「初塔頂時の記憶」は色あせません。

今思えば初心者である事を宣言して参加したわけですから、そんなに恥ずかしがったりする必要はないのですけど、右も左もわからないので顔を真っ赤にしつつ、気を使いながらチャットしつつ、とにかく他のパーティーの動きを覚えるのに必死で必死で、という状態でした。

 

「皆さんの各それぞれの動きが上からの目線で全てわかればいいのに」などとチャットした事を覚えています。実際にはそういったMAPウィンドウがあり、みんなが黄色いポイントとして表示されているんですけど、その時は緊張で気づきませんでした(慣れればそんなに大きくMAPウィンドウを広げて使う人はいないし、他メンバーからは特に反応なしでした)。恥ずかしいチャットをしたものです。

それから当時「ちょこ歩き」という技術が現役で、敵に襲われながらも無敵でいられる移動方法、ちょこ歩きを駆使しているパーティーメンバーがいました。

隣で並走しつつ「すげー」とか言いながらその人の動きを観察していると、そのプレイヤーがそのフロア(17F)入口の扉から出ていく事でいなくなり、私はそれまで追いかけていた敵モンスターの群れに一斉に飛び掛かられて一瞬で死んだことも覚えています。

もちろんそのメンバーは、わざとそうなるように仕向けたのです。

 

なぜ自分が死んだのか、なぜ仲間はずっと無敵でいられたのか、自分が初心者だからこそその理由・操作方法がわからなかったのです(慣れていれば並走して観察すること自体しません)。

つまり初心者に対する経験者からのちょっとした「洗礼」のようなものだったのだと受け取っています。「んなことやってるとこういう目にあうぞ」というニュアンスでしょうか。

「敵モンスターのヘイトを意図的に切って付近のプレイヤーにヘイトを向けた」側からすれば(専門用語にご容赦下さい)、ものの見事に罠にはめた感じでニヤニヤしていたかも知れません。でも私にとってそんな事はどうでも良い事でした。

「あの無敵の操作方法を会得したい」「塔の中での動き方・役割をマスターしたい」その念だけが強烈に残ったのです。

 

最初から明確に心に秘めたわけではありませんが、グループで一つの目標に向かって各プレイヤーが各自の役割を果たす、宝箱の中にはものすごく高額で喉から手が出るほどみんなが欲しがるアイテムが出る事がある、そしてあの無敵の歩行方法「ちょこ歩き」。

この初登頂を境に塔に登る事の楽しさ・ワクワク感を持つようになりました。ここからこのオンラインゲーム「MMOドルアーガの塔」に4年ほどハマっていく事になるのです。